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生命保険会社に転職する前にまず知っておきたい3つのこと

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生命保険会社(以下、生保)に「営業職」として転職を考えているひとに伝えたいことを記事にしました。以前、外資系の生保で働いていたことがあるので、転職活動の時に聞いてびっくりしたこと、入社前に知っておくべきだと感じたことなどを書いています。なお、これから書くことに必ずしもあてはまらない生保も中にはあります。でも、大体どこも似たような感じです。

なぜ生保業界に転職を考えたか

話せば長くなるので簡潔に書くと、ひとつはやはりハイリターンの部分、給与面に魅力を感じたからです。

それと、もうひとつは「保険」そのものがとても不思議な商品でそこに魅力を感じたからです。日本人のほとんどが入っているのに、その内容は全然わかっていない人の方がはるかに多い。こんな商品は保険以外にまずありません。それを勉強して生業としたいと考えるようになりました。ぼくは別の業種で営業としてある程度成功していたので、このあたりちょっと慢心していたのだと思います。

では、いよいよ本題です。生保に転職する前に知っておきたいことを3つあげていきます。

1. 生保の営業マンは安定したサラリーマンではない

成果に対して報酬が支払われる

いうなれば、野原ひろしではなく、ゴルゴ13です。

「営業職なんだからノルマがあって辛いのは当たり前。でも、それに耐えて働いてさえいれば、会社から毎月一定の給与は支払われるんでしょ?」なんて考えているひと、いませんか?

まず、生保の営業マンはふつうの会社員ではありません。給与体系からして普通のサラリーマンとは違います。フルコミッションです。成果に対して報酬が支払われます。

言い換えれば、契約を取ってくればお金がもらえますが、極端な話、契約が1件も取れなければお金が一切もらえません。毎日、会社に行ってある程度仕事をすれば一定の給料が入ってくる...みさえに安月給と言われる野原ひろしのようにはいかないのです。生保の営業マンが稼ぐお金は、仕事で成果を出してはじめて貰えるお金、つまり「報酬」と言った方がいいかもしれません。

しかし、契約がなかなか取れない最初のうちは、それだと生活もままならなくなってしまいますよね。それだと「そんなのムリゲー」で入社しようと考えるひとがいなくなってしまいます。そこで、生保では「初期補給金」(会社によっては「研修期間手当」と呼ばれることもあります)と呼ばれる制度が導入されています。

初期補給金という制度

初期補給金とは、ふつうの会社でいう基本給のようなものです。でも、生保の場合、その基本給がちょっと"特殊"なんですよね。どう特殊かというと、この初期補給金は2年間かけて少しずつ減っていくんです。「基本給が減るって意味がわからない!じゃあやっぱり生活できないじゃないか!」と言いたくなりますよね。

初期補給金が減っていく反面、仕事がうまくいけば、取ってきた保険契約に対する報酬(いわゆるコミッション)部分が少しずつ増えていくことになります。つまり、契約件数とその徴収する保険料等に応じて、貰える報酬がだんだんと増えていくんです。

2年後にはこの初期補給金も最終的に"ゼロ"になり、2年後以降は完全にフルコミッションになります。会社からすると「2年間のうちはお金の面で助けてあげるよ。でも2年経ったらもう助けてあげないよ。」ということです。

 

要はですね、すごくシンプルにまとめてしまうとこういうことです。

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この図からわかるように、契約を取り続けることがこの仕事の生命線です。25ヶ月目からは初期補給金が完全になくなるので、コミッション手数料だけで収入をまかなっていくことになります。

必要経費はすべて自分持ち

繰り返しになりますが、上記のように、生保の営業マンの給与体系というのはちょっと特殊です。いわゆる安定したサラリーマンではありません。会社と雇用契約は結びますが、半ば独立した個人事業主として勤務することになります。

もう少し具体的に書くと、会社の名前を背負って営業活動ができる反面、その営業活動は基本的にすべて自分のお金でやっていくことになります。そうです、個人事業主ですから、その活動費用は基本すべて自分持ち(!)です。

ふつうの会社だと、文房具を買ったりと必要な経費は会社が負担してくれますよね。でも生保の営業マン、彼らはそれらをすべて自分で負担します。例えば、客先に向かう際の交通費、商談時の喫茶代、切手代や文房具代。会社から使うよう渡された指定のPCやタブレットでさえも、無償ではなく有償です。毎月給与から機器レンタル代が天引きされます。

このように、必要経費も自分が負担することになるんだということを、あらかじめ理解しておきましょう。なお、確定申告も自分でやることになりますが、その際に必要経費をきちんと計上すれば、ちゃんと還付金としていくらか戻ってきますよ。

2. 自分の友人知人に営業をかけることが必須条件

自分の友人や知人が最初の営業先になります。まず、その覚悟が必要です。会社もそれを期待して(それを前提として)あなたを採用します。入社して一定の期間研修を受けたあと、電話でアポイントを取って彼らに会いに行きます。

・・・あなたの友人や知人は会ってくれそうですか?ここで大事なのは、契約してくれそうな人が何人いるかではなく「会って話を聞いてくれそうな人」が何人いるかがキーポイントになります。

LINEの友達登録や携帯電話の連絡帳には、何人登録されているでしょうか。もしかすると何百人と登録されているひとがいるかもしれませんね。でも、この仕事では、交友関係の「広さ」だけではなく「深さ」も大事なのです。具体的にいうと、自分が「会おうよ」といったら実際に会って話を聞いてくれるひとが何人いるか、です。

会って席に座ってくれさえすれば、そのあとは営業手法を駆使して話を聞いてもらい、成約につなげていくことができます。会社もそう思っているので、経験は問いません。でも、座って話を聞いてくれなければ、営業マンとして打つ手がありません。

会う約束をとりつける際、「保険会社に転職した」ことを友人・知人に電話で話したときに、彼らがどういうリアクションをするか想像してみてください。「転職おめでとう〜」と心から言ってくれるひともいるかもしれませんが、なかには「げ!久々に電話が来たと思ったら保険の勧誘かよ...」と思う人もいます。会って話を聞いてもらう、ここまで持ってくるのが、実はとても難しいのです。

 3. 会社をあてにせず、自分で営業先を見つけなければならない

「マーケット開拓」なんて言い方をします。友人知人にあたり尽くして、もうこれ以上会ってくれそうなひとがいない...となってしまう前に、どんどん次を探さなければなりません。ほとんどの生保では、会社から「見込み顧客リスト」なんてもらえませんからね、期待しないでください。そういう甘い話はまずないと思った方がいいです。

ちなみに、ぼくが入社した会社でのことです。入社前の面接時。直属の上司となる人からこんなことを言われました。「うちはネットからの問い合わせが多いから、その対応で手一杯になるんだよね〜」と。そして、さもそれだけで営業活動できるよと受け取れるような話し方をされました。これを聞いたぼくは、じゃあ友人や知人に熱心に営業かけなくても、そちらでなんとかやっていけそうだなと甘く考えてしまいました...。

では入社後に実際どうだったかというと、やはり甘い考えだったことを痛感しました。そういった問い合わせは新人にはほとんど回って来ず、ベテランの人に優先的に回っていました。そりゃそうですよね、問い合わせを契約に結び付けられる可能性が高いのは、どうしたってベテランの人たちですからね。

入社後、いずれにしても友人知人だけではいずれ頭打ちになります。どうやって話を聞いてくれるひとを見つけるか、自分で考えて行動していく必要があります。ちなみにぼくの同僚の中には、親子カフェで節約術セミナーを開いたり、異業種交流会を開いたり、住宅展示場でライフプランの相談にのったりしているひとたちがいました。こういうアイデアを自分で実践していく力が求められます。

まとめ:ハイリターンだがやはり「ハイリスク」

生保の営業マンはよく「ハイリスク・ハイリターン」な職業と言われています。中には、年収三千万という人もいます。これはまさに「ハイリターン」ですよね。夢があります。では、ここまで読んできて「ハイリスク」な部分とはいったいどこでしょうか。

成果が出ないとお金が入ってこない = 収入が不安定

これがいちばんじゃないですかね。だんだん減っていく基本給(=初期補給金)を上回るくらい稼がないと、いずれ立ちゆかなくなります。さらに、ある一定期間のうちに、会社が定めたある基準をクリアできないと、契約解除、つまり解雇されることもありえます。きつい言い方ですが、成果が出ないひとをずっと雇ってはくれないのです。

必要経費はぜんぶ自分もち

先に書いた通り、必要経費はぜんぶ自分もちになるため、給与の中からいくらかを営業活動費としてまわさなければならなくなります。つまり、もらったお金が全部使えるわけではありません。

自分で今後の見込み客を探さなければならない

友人知人以外で自分の話を聞いてくれそうなひとを見つける必要があります。いちばんいいのは、友人知人に「見込み客」を"紹介"してもらうことですが、これはかなり難易度が高いです。また、営業がしつこいと思われて、友人知人が自分のまわりから離れていってしまうことがあります。これはけっこうメンタルにきます。

さいごに

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ここまで読んだけれど、やはりこの仕事をやってみたい!という意志の強いあなたへ。この仕事をやりたいと思ったら、十分に下調べをしたうえで、面接時に説明される内容と入社後に経験する内容とのギャップをなくしておくべきです。そして、自分で考えて自分でどんどん実践していく覚悟とチカラがあるか、いま一度自分自身に訊(き)いてみてください。がんばってくださいね!

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