Apple IDとパスワードを忘れたら10万円かかった、というお話
iPhoneやiPadをお使いのみなさん、自分のApple IDとパスワードを覚えていますか?これ、覚えていないと大変なことになることがあります。
今回は友人のAさんに起きた話を元に記事を書きました。iPhoneやiPadをつかっているひと向けの記事です、あてはまるひとはぜひ読んでみてくださいね。
Apple IDとは
自分のApple IDってわかりますか?
Apple ID = メールアドレスです。xxxxx@gmail.comのように、@以降さいごまでを含みます。
たいていの場合、iPhoneを購入したあと最初に設定します。これがないと、アプリをダウンロードしたり、曲を購入したりすることができません。
LINEを使っているひとは多いと思いますが、そうであればアプリをダウンロードした証拠なので、かならずApple IDを持っていることになります。
パスワードとは
Appleの公式サイトで確認したところ、下記の条件で作成されることになっています。
・8文字以上
・英大文字と小文字を含む
・数字を含む
Aさんのケース
iPhoneを水没させてしまったAさんの状況を説明します。
・iPhone 6を約3年使っていた
・保証期間はとうに過ぎている
・仕事でバリバリiPhoneを使っている、電話をよく使う
・バックアップはとっていなかった
・Apple IDとパスワードを覚えていない
修理方法を確認
まず修理方法を確認しました。どうも携帯電話ショップでは修理に応じてもらえないようです。確認できた方法は、以下の2つでした。
1) AppleCare サポートに電話
2) Apple Store直営店、または正規サービスプロバイダに持ち込み
今回は、
2) Apple Store直営店、または正規サービスプロバイダに持ち込み
を選択しました。
とにかく一刻も早くiPhoneを使えるようにしたいAさんは、いちばん自宅に近い正規サービスプロバイダを探し、朝一番に持ち込みました。
*上記リンク先で「サービス」をクリックすると最寄りの修理店を探すことができます
運良くいちばん最初に案内されました。
お店のひと「いちばん最初に確認させていただきたいのですが、Apple IDとパスワードって分かりますか?」
AさんはApple IDやパスワードを、メモというアプリ内に保存していました。
そうです、iPhoneが水没して今となっては起動すらしない状況なので、もう確認することができません...。
Aさん「わからないです」
お店のひと「申し訳ございません、それでは修理自体が受付できないです」
Aさん「」
なんと、修理ができないと言われてしまいました。
Apple IDとパスワードがわからないと、正規サービスプロバイダだけでなく、AppleCare サポートでも修理してもらえません。
『iPhoneを探す』がオンになっていた
理由を尋ねると、iPhoneの設定の中に 『iPhoneを探す』という機能があり、これがオンになっていたそうです(iCloudにサインインするとデフォルトで自動的にオンになります)。そうなるとシステム上、修理受付ができないようになっていると言われました。
Apple IDとパスワードさえ分かれば、このロックが外せるそうです。
『iPhoneを探す』は、他のデバイスからなくしてしまったiPhoneやiPadを地図上に表示させたり、遠隔でデータを消去したりすることができる便利な機能です。
これがオンになっていると、iPhoneを拾ったひとや盗んだひとが、初期化して自分のiPhoneにしてしまうことができないようにすることができます。
iCloud - iPhone、iPad、Macを探す - Apple(日本)
お店のひとに何とかならないか相談したところ、AppleCareというサポート窓口に電話してみることを勧められました。
Apple「それはお困りですね、なんとか方法がないか確認してみますね」
Aさん「お願いします!」
じぶんの名前や電話番号などの情報を伝えて、アカウントをまず調べてもらえることになりました。
Apple「Aさま、お待ちいただきありがとうございます。いま確認したのですが、こちらではAさまのApple IDを確認することができませんでした」
Aさん「」
さらに話を聞くと、通常は本人確認できればApple IDはおしえてもらえるとのこと。
しかし、Aさんは自分自身でセキュリティを高めた設定をしているようで(2ファクタ認証)、それだとAppleCareの方でも本人確認することができないため、Apple IDを調べることができないとのことでした。
さいごの手段
もう他に方法がないか、ダメもとで尋ねてみました。
Apple「今のままでは修理の受付はやはりできないのですが、ここから話を先に進めるためにさいごの手段として『購入証明書』という方法があります」
購入証明書とは、iPhone購入時にキャリアからもらった契約書類の控えのことだそうです(もしなければ、キャリアで発行してもらえる可能性もあり)。それがあれば1週間くらいかかるけれど、修理受付できるようにしてもらえるとのことでした。
しかし、修理に出せるとなっても以下の状況は変わらないとも言われました。
・忘れてしまったApple IDとパスワードはおしえてもらえない
・Apple IDはあらためて新規作成する必要がある
・以前のデータはすべて消えてしまう
・今まで課金したことがあるコンテンツもすべてゼロになる(課金情報は忘れてしまったApple IDと紐付けされているため)
書類なんて家のどこにあるかも分からないAさん。なにより、仕事でiPhoneを使っていて今すぐに使えるようにしたいという強い思いから、結局その方法はあきらめて、新しくiPhoneを買い直すことにしました。
本体とAppleCare+の代金合わせて10万円の予期せぬ出費になってしまったそうです...。
Apple IDはどこで確認できる?
Aさんのケースを教訓にして、同じことが起きないように準備しておきたいですよね。
Apple IDは以下の方法で確認できます。今すぐメモしておきましょう。
・ホーム画面で「設定」→「iTunes Store と App Store」→ Apple ID (メールアドレス)
・ホーム画面で「設定」→「iCloud」→ Apple ID (メールアドレス)
ここにApple IDが表示されていれば、それぞれサインインしているということになります。
パスワードを忘れてしまったけどどうしたらいい?
パスワードはiPhone本体でも確認することができません。
忘れてしまった場合はリセットすることになります。以下のリンクをご覧ください。リセットしたら新しいパスワードを再設定するので忘れないようにメモしておきましょう。
もしもApple IDとパスワードを覚えていたら...
AさんはiPhoneを水没させてしまいました。Apple IDとパスワードを忘れてしまったため結局修理ができず新しくiPhoneを買い換えたのですが、もしIDとパスワードを覚えていたらどうだったでしょうか?
修理には出せますがバックアップをとっていなかったので、やはりデータは戻ってこないことになりますね。
しかし、iCloudにサインインしていたので、連絡先やSafariのブックマークなどは戻って来た可能性があります。実は、下記のデータはバックアップとは別の方法でiCloud上に保存されています。
・連絡先
・カレンダー
・リマインダー
・Safari
・メモ
・Wallet
バックアップは取っていなかったとしても、新しく買い直したiPhoneで、今まで使っていたApple IDとパスワードを使ってサインインすれば、上記連絡先などは戻って来た可能性が高いのです。
バックアップは取っておこう!!!
Apple IDとパスワードも大切ですが、もちろん中のデータも大切ですよね。
ぼくの場合、特に子どもの写真が消えてしまったら、ほんともう立ち直れません...。
写真などのデータは二度と同じものを再現できないですし、お金を出して戻ってくるものでもありませんからね...。消えてしまったらほんとうにもう、おしまいです。
iPhoneのデータはどんなトラブルで消えてしまうかもしれないので、行動できる今のうちにしっかりバックアップを取っておきましょう!
たとえば、iCloudにサインインしていれば、自動的にバックアップを取ってくれる機能があります。
・ホーム画面で「設定」→「iCloud」→ バックアップ→iCloudバックアップ ON
スイッチが緑色になっていれば有効になっています。
・Wi-Fi環境下にある
・充電されている
・画面がロックされている
この3つの条件がそろっているときに、毎日1回、iCloud上に自動的にバックアップを取ってくれるようになっています。この条件がそろうのは、ほとんどのひとの場合、おそらく就寝中ということになりますね。
ただ、一点、注意が必要です。
無料で5GBまでしかバックアップがとれません。5GB以上のバックアップを取ろうとする場合は有料プランがあるのでそちらをご利用ください。
iCloud ストレージのアップグレードとダウングレード - Apple サポート
さいごに
Aさんの話、どうでしたか?予期しないことが起きる可能性は誰にでもあります。
自分は大丈夫だろう...と思うひとが多いかもしれませんが、Apple IDとパスワードを忘れると、お金以上にだいじなデータが取り戻せなくなることだってありえます。
自分のApple IDとパスワードはいまのうちに安全な場所に書き留めておき、万が一に備えておきましょう。
あわせて、その万が一のためにバックアップはかならず取っておきましょう。
バックアップを取っていないと、そのだいじなデータは、いくらお金を出しても二度と取り返すことができなくなります。
さいごまでご覧いただきありがとうございました。オオセラスバルでした。